私が日本人会図書室で借りる本は「①事前にこの本が読みたい!と思って借りる本」「②並んでいる本を何気なく表紙や題名で選んで借りてくる本」この2種類にわかれます。今回は②の「題名借り」(ジャケ買いのイメージですね)の1冊でございます。
この本は著者が若かりし自分の語りかける形式の文章だったのですが、それに妙に説得力を感じましたね。著者が自分自身に言い聞かせてるっていう雰囲気、とでもいうのでしょうか。うまく伝えられなくてもどかしいのですが…「思ったんだよね」とか「思ったんだよ」「○○なんだよね」「○○だったんだよね~」という文体の本は、なかなか出会わないので、新鮮っていうのも強いかな、とは思います。
はじめに、の部分で
「もっと早く言ってよ~」という私のつぶやきを、クスリと笑いながら読んでいただければ幸いです。
と著者が前置きしているのですが。40代の私には、クスリと笑う、よりも「はー!なんか、なんかわかるわー!確かにそうだったわー!」みたいな気持ちで読んでいることに気づきました。筆者には筆者の経験してきたことがあって、私は私なりの20代や30代を過ごしてきて。筆者の若かりし頃の悩みを、私の若かりし頃の不安、悩み、もがき…そういうものを重ねてみたり思い出してみたりしながら、私は読んでいたのかもしれないな、と思います。
私は読書をしていて、印象的なところがあると付箋を貼る癖があるのですが…その付箋全てが「part4 人とのかかわりでわかること」に貼られているという事実!こんなことってあるー?と我ながらビックリ。その中でも印象的だったのが、以下の一文。
「人と違う」ってことは、「私らしさ」という個性になるんだよ。
著者も20代の頃は人と同じ道から外れちゃいけないと焦っていたご様子。人と違う事って、なんとも違和感を感じたり居心地が悪くなったりすることもあるけど…それを自分の個性として前向きにとらえられる、そして何より他人の個性が尊重できる、そういう人に私はなりたいなぁと思います。
それに最近思うのは「私の当たり前は他人の当たり前じゃないんだよな…」ってこと。その逆の「あなたの当たり前は私の当たり前ではないんよなぁ…」ってことも然り。
自分と誰かが「違う」ってことは当たり前のハズなんだけど、生きているとどうしても「それは理解できないのよなぁ」なこともあって。その時「その相手を否定」しちゃう私の煩悩よ…やっぱり煩悩なんよ…とは言え!人との関わり合いで悩んだり学んだりすることって、すごーーーーーーーく多いから、それを楽しめるようになりたいな、と最近妙に強く思う私です。
この本を読み終えたとき、様々な経験を重ねてきた40代の私は、きっと、それなりに、何気に、パワーアップしながらこの人生を生きているんじゃないかと、自信が湧いてきたのであります。
この本のおわりに、年をとって体力も落ちていく人生を、残りどうやってハッピーに生きていくかの答えが分からない…と言う著者ですが
ただ、一つわかっているのは、答え探しの日々の中で、「へ~!」「ほ~!」と新しい真実を発見することがきっと何よりの毎日を楽しむ力になるということ。
こう断言しておりました。これは私の心にズキューーーーンと来ましたねぇ。私は日々の読書を通じて、新しい価値観や知識を吸収している実感があるので、だから私の人生は楽しいんだろうなー!と妙に納得した最後。いろいろあるけど、やっぱり幸せだ、私♪
年をとる…なんだか切ない響きではありますが、この本を読んで、わずかではありますが「年をとるのも悪くないわー」って思えるようなメンタルになれました。これ、すごいことだ。
また「題名借り」の1冊で素敵な本に出会ってしまった!ありがたやー!