なんだろうか…すっごい自分でハードルを上げて読んで、そんな自分にガッカリしてしまった一冊。
1作目の「娼年」を読んだのはいつだったか、すっかり忘れてしまいましたが、日本人会図書室で石田衣良さん(公式サイト)の本がいっぱい並んでいるのを見て、2作目とは知らずに思わず題名だけで手に取った「逝年」そして、最終章の「爽年」の三部作と言うことでシリーズを読破。
「爽年」全てを読み終えてInstagramにも簡単な感想をUPして、こうして今こちらでも感想をアウトプットするかぁ…と思いながら集英社さんの文芸ステーションを見てスクショして…と…え?映画化で話題だと?!
全然知らなんだ…著者の石田衣良さんと主演の松坂桃李さんの対談を読んでいたら舞台化までされて…大人気だったのですな。映像化するなら主人公は誰かなぁなんて考えて読んだことなかったけど、松坂桃李さん、ピッタリじゃぁないか!びっくりするほどしっくりくるじゃぁないか!
…と、ひと興奮したところで最終章である第三作目「爽年」の感想を。
読み終えてすぐに感じたのは「ザワザワ感」でした…最終章ともなると、次がない訳で、これで終わりな訳で。どこかこの小説に対して私は「もしかしたら、こんな人生がホントにどこかに存在するのかもしれない」って思ってしまっていて、この主人公リョウの人生の結末を知りたかったのかもしれないなぁと思いました。無理、そりゃ無理なことなんだけども。
この何とも言えないザワザワ感は私なりの「こんな結末だったらいいなー」みたいな、変な期待が正直あったのかもしれないです。まだ終わって欲しくないっていうのかなぁ。純粋に、この後のエピソードが欲しくて欲しくてたまらないんだと思います。
娼夫になって、でも、とある自分人物と結ばれて家族になることになって…その先が気になるんだよなぁ。その後の葛藤みたいなものを、石田衣良さんならどんな風に描くのかなぁってワクワク感じるものが、私の中でザワザワに変換された可能性も大なのであります。
私が異常なまでに「爽年」の世界に没頭してしまくって読んだ本だからこそ、この物語のもっと先の人生に何となく期待があったのかもしれないな、と。でももう最終章だもんね…残念極まりなし。それだけ世界に入り込んで読んでしまった一冊ということになりますな。
映画化されて、YouTubeで予告編が公開されてたんでココに共有しておきます。桃季くん、キレイ…「今、終わりました」が妙にセクシーすぎるのよなぁ…うっとり。
ちなみに「美丘」も読んだし、その後のドラマも見たんですが、個人的には原作を読んでドラマを見た私としては、どうもドラマがしっくりこなくて悪い意味でザワザワしていたので、「娼年」が映画化(映像化)されたことが分かったとはいえ、あまり見たいという気持ちにはなれず。やはり、個人的に読書ってのは私なりの映像で妄想しながら読むのが合っているのだなぁと思うし、それが【私の小説を読む醍醐味っちゅーもんだぜ!】と改めて思ったのでありました。ただただ妄想が得意なんだと思われる。とは言え、また「娼年」シリーズを読むときにはリョウを桃李くんに変換して読んでしまうやもしれん。それは否定できん!