思わず考えちゃう*ヨシタケシンスケ【日本人会図書室で借りて読んだ本】

シンガポール

ヨシタケシンスケさん、好きなんです。大人になってから絵本の魅力に気づいて、いろいろ絵本のことを知るうちにヨシタケシンスケさんの絵本に出会いました。

ヨシタケシンスケさんと言えば「りんごかもしれない」で有名になり、ご存じの方も多いかもしれませんね。ヨシタケシンスケさんはとにかく「絵本」というイメージだったのですが、今回読んだこの本は絵本ではなく。出版社様よりスクショなのですが(新潮社

毎度のスクショってことで、リンク先へは行けません。

エッセイなんですよねー。「みんな待ってた」らしいですけど、私は日本人会図書室の子ども図書室でヨシタケシンスケさんの絵本を見つけて「あぁ、ヨシタケシンスケさんの絵本はどのくらい扱ってるのかなー」と調べてみると、大人図書館にも扱いがあることがわかって。それで出会った本です。

「ついつい考えちゃう」から始まって、子育てをしている中で気づいたこと「父だから考えちゃう」、「ねむくなるまで考えちゃう」の3章で構成されていて、いくつか引用させていただきます。

今しかないのに もったいないのに 大事にできない やさしくできない なぜかしら

もういろいろ、いらいらすると、子供に優しくしてあげられなくて、いかんなあっていう。でも、ちょくちょくあるんですよ。(中略)

…そのグレーな部分こそ、ザ・育児ですよね。

余裕をもてない理由って何かなぁって考えますけど、大人も子供も余裕なんてなかなか持てないですよね。それにイライラしちゃうのは当たり前だと思うし、それが人間だし、やっぱり煩悩だし。ザ・育児はグレーな部分、やっぱり多め。わかっちゃいるけど…っていう気持ちは誰の中にもあるっていうことに安心もしたページ。

悪口を言いながら そこそこ幸せに暮らしましたとさ。

世の中の悪口を言いながら、そこそこ幸せに暮らしましたとさ、っていうのが理想の老後だなって思ったりするわけです。

仏に世の中の悪口を言いながら、日々過ごせるって、一番の娯楽が残っているということですよね。

何でもかんでも、全て手に入れた人が一番最後に何するかって言ったら、何か身近な人の悪口を言うんですよ、やっぱり。

どんなに満ち足りた状態でも、何か足りない物をつい探してしまう。何かに対して不満を述べたくなってしまうっていうのは、人間の心のありようとして、やっぱりあるはずなんです。

やっぱり、ついつい考えちゃうことって、結局のところ人間の煩悩なんだよなって…1手に入れたら、更に欲しくなる。「足るを知る」の精神が大切だなぁと思いますけど、もっと欲しい。だって、もっと欲しいもの。人間だもの。煩悩だもの。私もこれからも「もっと欲しい」にとりつかれて「不満を述べたく」なるような老後になるのかなぁ。それもアリかなぁ…そうかもしれないって気づいて過ごしていくことができるっていうのは幸せかなぁ。そこそこの幸せは深い。

最後にご紹介したいのは、この本の中でも私のお気に入りパワーワード。ヨシタケシンスケさんご本人も気に入っていて、今の自分を楽にするキーワード、と。

明日やるよ。すごくやるよ。

これ結構、最近気に入っているんです。(中略)明日すごいよ、明日すごいやるからね、っていう。

でも、今日はもう、寝るけどね、っていう。(中略)

明日やるよ、だけじゃダメなんですね。すごくやるよ、そこの含みを持たせることが、よりこう今の自分を楽にするキーワードなんです。

これはイイ!とてもイイ!含みを持たせるっていうスタンスが!だって、今日やらない方がいい時もあると思うんですよね。明日やった方が、むしろ明日すごくやった方がいい時って。そんなときに使いたい、寝る前に唱えたい。そう、ヨシタケシンスケさんも「3回唱えてから寝る」言葉なんだと。好き、この言葉、好きぃぃ!!(でも、この記事は今日仕上げてUPするって決めてる。)

ちなみに。このエッセイ集を借りる前に「デリカシー体操」ってスケッチ集も借りたんですけども、そちらもおススメです。リンク先では試し読みもできるので、是非とも。このスケッチ集には300ページ弱にスケッチの嵐。(基本、見開きに約10個スケッチが!)今でこそ人気作家のヨシタケシンスケさんですが、駆け出しのころに自主出版なさったものらしいです。今回、そのオリジナル版に新作を加えて復刻したものだとか。これはまた借りたいというより、買おうかなぁという勢い。

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